共同ビジネス向け制度

仙台市 会社設立 はオヤマ経営
合同会社(日本版LLC)などの新設を規定した会社法より、少し早く施行されたのがLLP法(有限責任事業組合契約に関する法律)。
名称からわかるように、LLCとLLPはよく似ています。
  LLC:Limited Liability Companyの略称、正式には「有限責任事業組合」、
  LLP:Limited Liability Partnershipの略称
どちらも、
 ・すべての出資者が有限責任
 ・意思決定方法や利益分配方法を出資者同士が自由に定めることを認められた組織
したがって、合同会社の特徴と同様、LLPも人的資源を生かす共同事業に適しています。
ただし、LLPは法人ではありません。
その理由はLLP特有の課税方式にあり、この課税方式こそがLLPの最大の魅力であると共に、合同会社(LLC)との大きな相違点となっています。
*最大のメリットは構成員課税方式
 合同会社(LLC)を始め、会社はすべて法人=所得には法人税が課せられます。
対して
 LLP(法人ではない)=LLP自体に課税は行われない。何年にもわたって黒字を出し続けても、まったく課税されないのです。
では、どのような時に課税が発生するのでしょうか?
LLPへの出資者が、そのLLPから利益分配を受けたときに限り、各出資者に対して課税が行われます。このような方式を構成員課税(あるいはパススルー課税)と呼びます。
構成員課税のメリットはLLPが黒字、赤字、どちらの場合にもあります。
◎黒字の場合
出資者に利益分配をした場合、いわゆる二重課税を回避することができます。具体的には下記「株式会社とLLPの課税方法の違い」を参照してください。
◎赤字の場合
出資者が損益通算(納税者が別々の損益を一本化して課税所得を算出する税法上の制度)できるため、各出資者は自らの所得からLLPの赤字を差し引くことができます。
出資者のA社に1000万円の課税所得があっても、LLPから分配される赤字▲1000万円を通算すれば、所得は0円となり、A社への課税は行われないことになります。
言うまでもありませんが、仮にLLPから分配される損失が▲800万円だとすれば、1000万円から800万円を引いて、A社の課税所得は200万円ということになります。
このように説明すると、合同会社(LLC)のメリットがないように見えますが、実際はそうでもありません。
LLPの出資者・・・そのLLPから利益分配を受けることはできても、報酬(給料)を受け取ることができない決まりがあります。
合同会社の出資者・・・配当も報酬(給料)も受け取ることが可能。
したがって独立に際し、どちらを選ぶかとなった時は・・・
立ち上げる事業が「本業」⇒安定的に報酬を得られる合同会社を選ぶ
本業とは別の共同事業などを立ち上げる⇒課税上有利なLLPを選ぶ
といった考え方もできます。